投資の手法の一つにポートフォリオ戦略というものがある。
今ではかなり大きく広まった投資の手法でもあり、僕自身もかなりこのやり方を意識しながら資産運用をしている。
この方法を使えば保有銘柄が上昇し続けなくても、トータルで利益がどんどん生み出される可能性する出てくる方法だ。
近年投資信託でバランス型といった銘柄なども人気だが、運用方針はポートフォリオ戦略だ。
ロボアドバイザーにおいても同様だ。
ポートフォリオの中で適切な銘柄の組み合わせを行うことができれば、安定した運用が実現できたり、リスクを下げてリターンを上げられる可能性が増える。
解説していく。
- ポートフォリオとは
- 良いポートフォリオと悪いポートフォリオとは
- オールウェザーポートフォリオとは
- オールウェザーPFの近年の実績
- 株100%保有とオールウェザーを比較
- オールウェザーをやった方がいいのか?
ポートフォリオとは
投資をする場合、何かの資産を買うことになる。
その際に複数の資産(銘柄)を買い付けすることを【分散投資】という。
分散投資をするメリットとしては、一つの銘柄の価値が値下がりしても他の銘柄が持ち堪えるということを期待できる。
リスク分散、リスク低下に繋がる。
そしてポートフォリオというのは保有資産や銘柄の比率を定めていく戦略のことを指す。
例えば「A,B,C,D,Eの5つの銘柄を20%ずつ保有するポートフォリオを組む。」
こんな風に言ったりする。
組み合わせ方次第でポートフォリオの値動きは大きく変化する。
ハイリスクにも、ローリスクにも出来る。
そしてリスクの大きさとリターンの大きさは必ずしも連動しない。
だからこそポートフォリオの組み合わせ方は奥が深いのだ。
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例えば銘柄Aと銘柄Bでポートフォリオを組むとする。
それぞれ5,000円ずつ保有して、合計1万円保有していることとする。
AとBはプラスマイナス30%を行ったり来たりする値動きをするとする。
Aが10%上がってBはマイナス10%下がったりとかそんな具合。
20%上下することもあるだろう。
このAとBを
「10%以上元の比率から乖離したら、元の比率になるように多い銘柄を売って少ない銘柄を買い増す。」
というルールで運用するとする。
そうすると最終的にAとBが様々な値動きを繰り返すうちに資産が2倍になる日が来るということだ。
ポートフォリオを維持するということは、必然的に割高なものを売って割安なものを買うという仕組みになる。
超合理的なのだ。
良いポートフォリオと悪いポートフォリオとは
ポートフォリオとは銘柄のブレンドだ。
選ぶ要素は大きく分類すると2つ。
- どの銘柄を使うか
- それぞれどれぐらいの配分で保有するか
ポートフォリオを考えていく上でコツとしては
- 全て下落することを避ける
- 長期的に成長しそうな資産を保有する
全て下落する可能性があるポートフォリオは避けなくてはならない。
当たり前かと思うかもしれないが、重要なポイントだ。
全て下落する組み合わせとは似たような銘柄ばかり持つということだ。
具体的には同じ業種(セクター)、同じ地域、同じ資産などで組み合わせてしまうということ。
テクノロジー関連だけ保有していたりすれば、テクノロジー関連で新しい強国の台頭などが発生すると既存の保有銘柄は軒並み厳しいだろう。
日本ばかりでポートフォリオが埋め尽くされた場合、日本に大きな天災があったり経済危機があったらポートフォリオが全部下落することもあるだろう。
株式にも色々あるが株式だけで運用していると、昨今のコロナに伴う下落のように全セクター下がるような局面もある。
地域分散、セクター分散、資産分散がなされているポートフォリオが適切と思われる。
そしてその構成要素が長期チャートで見た時に最低でもマイナス傾向になっていないことが必須だ。
オールウェザーポートフォリオとは
ここまでポートフォリオがどんなものか解説した。
ここで有名なポートフォリオを一つ紹介しよう。
【オールウェザーポートフォリオ】だ。
このポートフォリオはレイダリオ氏が考案したもの。
レイダリオとはアメリカの有名な投資ファンドを創設した人で、世界で彼の投資理論を参考にする人が多い有名な投資家。
彼は経済には4つの局面があるとしている。
- 経済成長期
- 経済停滞期
- インフレ期
- デフレ期
この4つの局面の中で常に上昇し続ける資産は無いと言っている。
それぞれの局面に対応するポートフォリオということだ。
彼はこういう局面のことをシーズンと表現しており、全てのシーズンに対応するポートフォリオということでオールウェザー(全天候型)と名付けている。
内訳はこうだ。
- 米国株30%
- 20年以上米国債40%
- 10年以下米国債15%
- 金7.5%
- 商品7.5%
さらに大分類すると株3割、債券5.5割、金や商品で1.5割となる。
なかなか保守的な配分。
オールウェザーPFの近年の実績
検証してみよう。
使用ETFはこちら。
- 米国株VTI
- 20年以上米国債TLT
- 10年以下米国債IEF
- 金GLD
- 商品DBC
検証期間は2007年7月〜2020年3月末まで。
リーマンショックに差し掛かった時期、コロナに伴う下落が本格化した時期が入っているところに注目だ。
オールウェザーポートフォリオのリターンはこちら。
これパフォーマンスかなり良いのではないか?
期間中の平均年利は7.4%
リーマンショックのあった2008年、2009年ですらプラスリターン。
2020年コロナウイルスに伴う下落も3月末現在で年初来リターンプラスで維持している。
年利7.4%は株式100%でも達成できる可能性のあるリターン。
ここでポイントなのは株式100%よりマイルドな値動きで同じ年利を獲得出来れば、値動きの幅が小さい方が精神的負担が少なく長期投資が続けやすいということだ。
ここにポートフォリオの価値がある。
株100%保有とオールウェザーを比較
イメージが湧きやすくなるように米国株100%保有との比較する。
比較するのは米国株S&P500指数に連動するETFの【VOO】とオールウェザーポートフォリオ。
期間2011年年始〜2020年3月。
青オールウェザー
赤VOO
平均年利は以下の通り
オールウェザー 7.45%
VOO 10.32%
この期間は相場に大きな下落が少なかった。
その影響もあり、VOOのリターンが優っている。
各年のリターンを見ると値動きの幅は圧倒的にオールウェザーの方が小さい。
こういった安定感を重視する場合にこの配分は非常に評価出来るのではないかと思う。
オールウェザーをやった方がいいのか?
オールウェザーは安定運用をする。
これは突出したリターンを生むということには繋がらない。
投資家は基本的にリターンを追求する。
ボラティリティの低下を追求している人はマイノリティだ。
今相場が不安定でここ数年で積立投資を始めた人の多くが含み損を抱えていることだろう。
こういう時だからこそ、下落に強いことのありがたみが分かるのではないだろうか?
人は下落相場で痛い目を見て投資方法を見直したり、投資を辞めたりする。
成績が好調な時に運用方法を見直す人はほとんどいないのだ。
オールウェザーは非常に地味なポートフォリオに見えやすい。
しかしながら自分自身が今後長期間投資をすることを考えた時、他人よりいかにリターンを上げ続けるかということより、継続できる安定運用の方がいいのではないかと考えている。
ポートフォリオという考え方で自分の資産運用を見つめ直してはいかがだろうか?
過去にこんな記事も書いています。
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