今日は【SPYD】というETF銘柄の解説記事。
SPYDは米国の高配当銘柄に投資していく株式タイプのETF。
配当をもらいながら資産形成をしていきたいと考えるとする。
日本株より長期的に成長している米国株で配当戦略をやりたいというのは自然な考えの流れ。
そして米国の高配当株に標的を合わせることも合理的だ。
SPYDは米国の高配当銘柄のみに分散投資をしていくETFだ。
高配当銘柄で分散投資するとなったら個別株を複数保有する必要があるので、資金がそれなりに必要だ。
それが出来る人もいるが、少しハードルが高い。
SPYDなら現在株価がおよそ3千円ぐらいなので、その資金だけで高配当株に分散投資出来る。
解説していく。
SPYDの特徴
SPDR® Portfolio S&P 500® High Dividend ETF
- 設定日:2015年10月21日
- 配当利回り:5.71%
- 組入銘柄数:77
- 米国株式指数S&P500の構成銘柄の配当利回り上位80銘柄に均等投資した運用を目指す。
組入銘柄数77となっている。
運用方針として80銘柄へ均等投資とある。
これがSPYDの最大の特徴だ。
常に80銘柄程度の保有銘柄数に調整されている。
そしてその80銘柄に均等投資ということなので、保有配分をそれぞれの銘柄が全体の1%~2%になるように投資をしていくということ。
SPYD最大の特徴!均等投資を紐解く
この均等投資は人気のETFの中で採用されていることが少ない。
普通時価総額比で配分を決めることが多い。
時価総額比はその銘柄に流れ込んでいるお金の量の多さで配分比率が決まるようなイメージだ。
時価総額比だと、例えばアップルとかアマゾンのような大企業は配分比率が多くなる。
小さな企業は比率が小さくなるという仕組み。
でも均等投資は常に全銘柄がほぼ同等になるように配分が調節されていく。
これは視点を変えると違う見え方となる。
何かの出来事により株価が下落するとする。
そうすると影響を受けたヤバイ株は株価が落ちる。
そうするとヤバイ銘柄はSPYDの中で配分比率が低下する。
そうすると均等投資なのでヤバイ銘柄の買い増しをして、他のヤバくない銘柄の比率を下げる。という流れで配分調整が行われる。
いわゆるナンピンだ。
逆パターンもある。
アゲアゲの株価ぶち上げ銘柄がSPYDの中ににあるとする。
アゲアゲの銘柄は上がった分だけ利確され、他のアゲてない銘柄に割り当てられる。
これが均等投資だ。
メリットとして割安な銘柄に追加投資され、割高な銘柄は割高度を解消する売買をするという点となる。
こう表現すると聞こえが良い。
デメリットとして捉えると、下落時には落ちてる銘柄をガンガン買い増ししていくので下落相場では下落スピードが増す。
そして上昇相場では上昇の波に乗れない。
こう表現すると印象が全く変わる。
個人的な印象としては均等投資とは「下落相場では大きく下落し、上昇相場ではリスク分散を狙う。」仕組みと考えている。
この仕組みがリターンを改善するかどうかは長期リターンを確認する方法しかない。でも運用期間がまだ短い。
短期投資であれば下落相場や上昇相場での均等投資の強さや弱さが気になるが、長期投資ではやはり長期の実績が無いことには判断が難しい。
経費率
0.07%
コスト0.03%は超低コスト。
パフォーマンス
2016年1月~2020年3月までのチャートを確認。
まずは折線グラフ。
そして棒グラフ。
平均年利0.62%
え?
平均年利が
0.62%?
ショボ!
なんかコロナにボコられてる最中のSPYDの解説記事書いてしまって、印象が悪くさせてしまってごめんw
2016年頃から運用が開始しており、コロナで値上がり益は吹っ飛んでおります。
配当利回りの高さから近年SPYDの積立を始めた投資が多いようだが、ほぼみんな含み損でしょう。
ただこの銘柄が他のETFのように10年以上存在していれば、高確率で平均年利はある程度プラスになっていたかと思う。
この期間の実績だけで判断するのは早々であり、次のパートの比較を参考にしてほしい。
他銘柄との比較
SPYDは米国大型株の高配当上位80銘柄に投資するETF。
今回は同じ高配当ETFで人気銘柄【VYM】と比較する。
2016年から2020年3月で比較。
青SPYD
赤VYM
平均年利は以下の通り
SPYD 0.62%
VYM 4.57%
SPYDやる気あんのか!?
オイ!!w
そう言いたくなるような結果だ。
均等投資ってやっぱダメなのかな。
上昇相場では自動利確されてしまい、下落相場では自動ナンピン。
前半はSPYDがVYMに若干リターンで勝ってても、2020年の下落でパァだもんね。
下落時の均等投資のパワーやば過ぎw
コロナが収束して株価が回復したときに爆上げしてくれればSPYD見直すのだが、まだSPYDはう●こという烙印を押すには早い。
もう一度言う。
評価
とりあえずSPYDの配当は高い。
人気の高配当ETFのVYMより配当が多い。
同じ資金をSPYDとVYMに突っ込んだら、生み出される配当はSPYDの方が多い。
でも銘柄自体の株価の値動きはVYMの方が今の所いい。
資産運用はお金を増やす為にやるもの。
たとえ配当が多いとしても銘柄自体の株価の動きが悪ければ、最終的に良い資産形成が出来てるとは言えない。
配当が10%あっても、株価が11%下がってたら良くないでしょ?
だから配当はあくまで付加価値として見なければならない。
そう考えた時にSPYDの均等投資が与えるパフォーマンスへの影響が不透明な今、体を張ってSPYDに投資するべきではないと思う。
VYMで十分だと思うし、SPYDに投資するとしてもポートフォリオの中心に置くことは避け投資のスパイス的な位置付けでいいのでは?
と考えている。
資産運用で重要なのは配当利回りではなくて、トータルリターンを出来るだけ大きくすること。
その上で高配当銘柄と向き合っていってほしい。
こちらは高配当の個別銘柄の過去記事。
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高配当株より堅実なポイント投資というものもあります。
クレジットカードのポイントで資産運用するものです。
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